環境コミュニケーション
情報共有の考え方
ステークホルダーの声を環境経営にフィードバック
環境経営を推進するためには、社内外へわかりやすく当社の環境活動を伝えるとともに、ステークホルダー(利害関係者)と双方向のコミュニケーションを行い、いただいたご意見を積極的に環境活動に反映させることが重要であると考えています。環境マークによる表示訴求やエコアイディアレポートなどによる情報開示、また、広報活動、展示会出展などを通して、情報の発信・共有、意見交換などのステークホルダーとのコミュニケーションに取り組んでいます。
とくに、2007年4月に導入した独自の環境マーク「eco ideas」は、当社の環境への取り組みや姿勢を示すシンボルで、環境ラベルや従業員用の環境バッジ、広報活動に至るまでグローバルに使用しています。2018年度のパナソニックグループ創業100周年に向けて、エレクトロニクスbPの「環境革新企業」をめざす当社の環境への取り組みや姿勢を示すシンボルマークとして、さらなる取り組みの強化を図っていきます。
第三者意見書
当社は2001年より、国際NGOナチュラル・ステップとパートナーシップを構築してきました。ナチュラル・ステップは、科学者のコンセンサスをもとに持続可能な社会の発展に向けた対策を考える際の明確な条件を提唱し、その条件は多くの環境先進国・企業の戦略策定に活かされています。
2010年度は、新環境行動計画「グリーンプラン2018」などについて分析していただき、そのご意見を以下に掲載しています。いただいたご意見は、今後の環境経営の進化に活かしていきます。
グリーンプラン2018等についての意見書
東日本大震災
2011年3月11日に東日本を襲った未曾有の地震と津波は、東北地方の広範囲に想像を絶する被害をもたらした。パナソニックグループが、震災発生後、義援金の他に本業の商品・サービスを通じて被災地への救済を提供したことを高く評価する。
東日本大震災の被災地は、地震、津波だけでなく、深刻な福島原発事故によって更に大きな影響を受けた。
そして、この福島原発事故の波紋は、日本同様、原発に依存してきた欧米諸国やこれから原発を使って発展しようとしていた途上国にまで広がり、再生可能なエネルギーへのシフトの機運がグローバルに高まっている。しかし、全面的に再生可能なエネルギー源に切り替え、持続可能な発展をめざすことは、決して、容易なことではない。ここで、政治家、そして産業界のリーダーシップとコミットメントが必須であると考える。
復興への貢献
パナソニックは、2011年度事業方針で、被災地を含む東日本地域の電力不足や停電の対策へのニーズに対しては、LEDなど省エネ機器の普及促進と、創エネ、蓄エネ、エネルギーマネジメントを組み合わせた提案をしていくとしている。また、本格的な復興に向けては、エネルギーに安心・安全を加えた「家・ビル・街まるごとソリューション」で貢献を果たし、「環境革新企業」をめざすビジョン実現に向け、リーダーシップを発揮していくと明言している。
グリーンプラン2018
「グリーンプラン2018」も、まさに、この大きなグローバルな課題の解決を提供するために、リーダーシップとコミットメントを宣言する行動計画であることを高く評価する。
特に、「グリーンプラン2018」の2018年度の目標の中に、エナジーシステム事業の展開がある。この目標は、最もパナソニックがグローバルに貢献できる事業になると考える。なぜなら、太陽光発電、燃料電池コージェネレーションシステムの技術において、パナソニックは世界トップクラスにあるからである。特に家庭用燃料電池の商業化は、画期的なこととして注目されている。しかし、これらは、普及してこそ社会に貢献ができる。課題は、まだ需要が少なく、生産コストが高いため、普及が進みにくいことだ。
ステークホルダーとの協働が必須
パナソニックの2018年度目標に、ステークホルダーとの協働で環境貢献を拡大するという項目がある。世界中に「変革のうねり」を起こすためには、サプライチェーンとの連携から始まり、その他に、お客様、政府、地域コミュニティ、NGO、研究機関、有識者、購入先、物流、パートナーの全てを巻きこまなければならないと言及している。正しくその通りだと思う。多くのステークホルダーと協働をして、具体的な戦略とプランを構築して初めて普及が進むと思う。
グローバルエコプロジェクトで普及を
パナソニックは、環境経営をグローバルに展開してきた。各地域統括会社の主体性を重視し、地域特性を活かした活動を推進しており、とてもすばらしいと思う。
今、グローバルに低炭素社会の構築に向けて、エコシティーの長期的なプロジェクトがいろいろな国で取り組まれている。
例えば、スウェーデンにおいては、Stockholm Royal Seaportというストックホルム市の低炭素のエコシティー計画がある。市の目標は、2020年に、住民1人年間1.5トン(現在平均6トン)のCO2に削減し、2030年には、化石燃料ゼロの街にすることを目標にしている。これらの高い目標を達成するために、スマートグリッドなど最先端のエネルギー技術が導入されることになる。このようなプロジェクトにパートナーとして参画することも良い戦略である。
それゆえ、パナソニックが、欧州で「スマートグリッド提携」、中国で「中新天津エコシティー」、日本では、工場跡地を利用した「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」構想に参画していることはすばらしい。
東北地方から世界へ
大坪社長は、2011年度事業方針で、被災地から世界へと、新しいくらし、新しい社会の姿を発信するとコミットメントをしているが、今後、東北地方において、環境先進的な自治体とステークホルダーと協働で、10〜20年かけ全て再生可能なエネルギーの街を構築するようなプロジェクトも考えられるのではないだろうか。
東日本大震災で家を失った約15万人の人々、そして福島原発事故のために避難された何万人という人々が、震災前より、快適で、エコで、安全で、安心して豊かなくらしができるようにパナソニックが長期に渡ってアイディアを提供していってくれることを期待する。
指導者に、ぜひともこれをやりたいという強い熱意があれば、それは必ず人を動かすだろう。そしてその熱意に感じて、知恵ある人は知恵を、才能ある人は才能をといったように、それぞれの人が自分の持てるものを提供してくれるだろう。
松下幸之助「指導者の条件 人心の妙味に思う」より

