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※過去に掲載された記事になります。内容は公開時のものであり、最新の情報とは異なる場合がございます。
おっと言い遅れました。私が“整水”の白水(しろうず)です。 大津工場長からも少しお聞きしたかもしれませんが、 アルカリイオン水を生成するのに欠かせない技術が電気分解なんです。 そう、中学や高校で習ったあの電気分解です。 覚えていますか?」 この実験室の雰囲気とデンキブンカイという言葉に、 すっかりたじろいでしまった僕アン。 「まぁ、そんなに難しい顔をせずに、リラックスして聞いて下さいね」と、 意気消沈しがちの僕を優しく励ましてくれた白水さんは、 イラストを用いて電気分解について何やら熱く語りはじめた。 「水を構成する分子はH2O。これはわかりますよね。 実は水の中にはH2Oの他にも、わずかですが電離したイオン、 例えばH+(水素イオン)やOH−(水酸化イオン)などが存在しています」 「H+やOH−などの……、イ、イオン……?」 狐に抓まれたような“ポカン”顔の僕アン。 「きっと、中学校で習ったハズですけど……。 もう忘れちゃいましたかね(笑)。 イオンとは+や−の電気を帯びた原子や、 それらが結合した分子のことです」
おお……そうだった、そうだった。 白水さんの解説により、 僕はおぼろげだった化学の記憶を少しずつ取り戻してきた。 「さてここで水の話に戻りましょうか。
そして両電極板に電気を流してみますと…… 磁石のN極とS極が引きあうように、 −の電気を帯びたOH−(水酸化イオン)が +極に引きつけられます。 それでOH−(水酸化イオン)にくっついていた電子は +極に取られ、O(酸素原子)とH(水素原子) に分かれるんです〈右図A-1〉。 そしてOが2つ結合して O2(酸素分子 気体)になったり〈右図A-2〉、 Hが2つと、Oが1つくっついて H2O(水分子)に変化します〈右図A-3〉。 こうしてOH−(水酸化イオン)が減少した結果、 H+(水素イオン)が残り、 +極側では H+>OH− となって、 酸性水が生成されることになります。 「あれっ、酸性水……? デンキブンカイによって、 アルカリ性の水をつくるんじゃなかったでしたっけ?」 どうにも納得のいかない僕アンは、 白水さんにこう尋ねた。 「ええ。アルカリ性の水を生成するには、 同時に酸性水も生成する必要があるんです。 まぁ、話の続きを聞いて下さい」 僕は、はやる気持をおさえて話に耳を傾ける。 「+極側では酸性水が生成されると説明しました。
では、同時に−極側では何が起ってるかと言いますと……、 −極に引きよせられたH+(水素イオン)が 電子を受け取って〈右図B-1〉、 H(水素原子)に変化〈右図B-2〉します。 さらにそれが2つ結合して H2(水素分子 気体)となります〈右図B-3〉。 そうなると、今度はH+(水素イオン)は減少して、 OH−(水酸化イオン)が残りますから、 −極側では H+<OH− の水、つ・ま・り……」 「アルカリイオン水がつくられる!」 僕はついつい叫んでしまった。 「その通り!! どうやら謎がひとつ解けたようですね。 ちなみに電気分解の際に、 たくさんの電流を流せば、 イオンを引き寄せる力も強くなり、 よりアルカリ性の強いアルカリイオン水を 生成することが可能となります」 なるほどぉ、わかってきたぞ! デンキブンカイによって、
そんな僕のちょっぴり自信に満ちた表情を見て白水さんは、 「さてここで問題です! 今は電気分解槽の右半分〈右イラスト参照〉で、 アルカリイオン水が生成され、 吐出口からは、もちろんアルカリイオン水が出ますよね。 では、同じ吐出口から、 酸性水を出すにはどうすればよいでしょうか? 」 「え〜と、右半分で酸性水を生成するってことは、 プラスとマイナスを反対にすればいいわけだから…… そうか、電流を逆に流す!」 「大正解!! アンさん、わかってきましたね」 「なるほど!」と僕は思わず声を上げてしまった。 電流を逆に流すことで同じ吐出口から、 アルカリイオン水だけでなく、 酸性水も出すことができる。 僕の中で駆け巡っていたアルカリイオン整水器の謎のひとつが、 見事に解明された瞬間だ。
ここで僕はある質問を投げ掛けた。 「アルカリイオン整水器には、 野菜アク抜きや炊飯、飲料水、弱酸性水など イオン水のpH値を調整できるボタンが付いてますよね。 これまでのお話で、 電流の強弱でpH値を調整できることもわかりました。 でも具体的にその違いが、 野菜やごはんにどんな影響があるんです?」 僕が段々わかってきたのが心底嬉しいのか ニコニコ顔で白水さんはこう答えた。 「佐藤君から、 アルカリイオン水の高い浸透性や優れた抽出力について、 実験や説明をしてもらったと思いますが(1章参照)、 pH値を調整することで、 いろんな使い方ができるんです。 お米を例にとって説明しましょう。
(写真はPJ-A503/2004年8月現在)
米のデンプン内にはタンパク質や脂質が点在しています。 そこで米を炊くときに アルカリイオン水を使うと OH−(水酸化イオン)がデンプン内のH と 結びついてH2O(水分子)を形成します。 これによってデンプン内の水素結合が壊れ、 その間から水が侵入しやすくなります。 結果、デンプンの糊化が進んで美味しいごはんが炊けるのです」 白水さん達の研究結果では ベトつかずにふっくらしたごはんを炊くには、 pH9.0程度が適しているとのこと。 それよりpHが低いと糊化が弱くて ふっくら度が足りなくなるし、 逆に高いとデンプンの水素結合を壊しすぎてベトついたり、 米の表面が固くなったりするそうだ。 「またOH−(水酸化イオン)の多いアルカリイオン水は、 米の中に含まれているタンパク質にも影響を与えます。 タンパク質に水が浸透することで、 旨み成分であるアミノ酸などが溶け出してくるんです。 このようにアルカリイオン水は食材のイオン化を促進させて 旨み成分やミネラル成分を引き出す効果を持っているんですよ」 ごはんを美味しく炊くのに、 アルカリイオン水が関係しているなんて、 これまたオドロキの事実。
一方、酸性水はどんな効果を持っているのだろうか。 「弱酸性水は美容に用いられる、 という話を大津工場長から聞いたと思いますが、 肌のタンパク質が安定した状態になるのは、 pH5.0〜6.5なんです。 だからpH5.5の弱酸性水を肌につけると、 タンパク質が壊れず引き締まる状態になります」 なるほど、酸性水もなかなかやるじゃないか! 白水さんはその他のpH値についても教えてくれた。 それらをまとめると以下の表のようになる。
でも…僕は不思議に思った。 「pH値の違いによって用途が異なるっていっても、 アルカリイオン水のpH値の差は、たった0.5ですよね。 そんなに効果に違いはあるんですか?」 「いい質問ですね。 確かにアルカリイオン整水器には8.5から10まで、 0.5単位でpH値が刻まれていますから、 そんなに効果に影響はあるかと疑問に思われるかもしれません。 でもね、pH値が1変化すると その水溶液内のH+(水素イオン)の濃度は なんと、10倍変化するんです」 「10倍も……ですか?」 「そうなんです。 pH値が1上がる、つまりアルカリ性が強くなると H+(水素イオン)の数が1/10、2上がると1/100に。 逆に1下がる、すなわち酸性が強くなると、 H+(水素イオン)の数は10倍、2下がると100倍に、
変化するということなんです。 当然、電気分解においては、 H+(水素イオン)の数にほぼ反比例して OH−(水酸化イオン)の数が増減することになります。
0.5や1の差も、イオンの世界では大きな差なんですね。 だから効果も結構変わってくるんです」
アルカリイオン水はどうやって生成されるのか? どのような性質をもった水なのか? pH値の違いとそれぞれの効果は? どうして弱酸性水も生成されるのか? これら一連の謎が少しずつ解き明かされていき、 僕の頭の中にあったモヤモヤが徐々にクリアになっていく。 僕アンは白水さんとの会話を心からエンジョイしていた。
「もちろんコンパクト化も重要なんですが、 それより前に日本全国の水道水には、 実はいろいろな水質があるので、 “水を知る”ことが大切になってきます。 我々は国内各地から水を採水して、 アルカリイオン水を生成させてみました。 その中で最も頭を悩ませたのが沖縄の水です 」 「沖縄の水?」
島好きの僕はたまらず身を乗り出した。
そこで白水さんが奥の分析装置に対面して 何かの研究に勤しんでいたスタッフに話しかけた。 彼は白水さんとわずかばかりの会話を交した後、 僕の方に向かって歩いて来た。 「全国の水に関しては、私がお教えしましょうか。 はじめまして、私の名前は……」 僕はふと大津工場長の話を思い出した。 なるほど、さては彼が…… 「ええ、お聞きしてますよ。“浄水”の小早川さんですね」 いかにも温和そうなこの人物は 僕の応答に一瞬驚いたようだったが、 すぐにまたニコリと微笑んで、静かに頷いた。
3章 魔法のハコ へ
約20秒の予告おまけムービーです。ご覧頂くにはWindows Media Plater 7以上が必要です